2013年12月26日木曜日

SSD SLC/MLC/TLC その違い



私自身、2009年頃に組んだ今のマシンに使っている
TOSHIBA製NAND&TOSHIBA製コントローラ搭載のSSD、
SSDN-ST128B」が未だに現役ですが
流石にSSDの進化も目覚ましいものがありそろそろ新しいものが欲しいところです。


さてさて、新しいSSDを眺めてみると
私の頭の中の SSD = SLC と MLC の構図にどうやら TLC というタイプも増えているようです。

なかなか興味深いのでざっくり噛み砕いて違いをまとめてみましょう。



■SSDとは
NANDフラッシュメモリ=TOSHIBAが開発した不揮発性メモリ=電気が通電していなくてもデータを保持可能なメモリ=SSD
■NANDフラッシュメモリの記録方式
セルと呼ばれる回路構成内に電子を注入/取り出しを行うことで[0][1]の情報を作り出す。

■SLC(Single Level Cell)
1セルに1bitの情報を保存する方式。セルに対し1bitなので当然容量単価は高い。
しかしシンプルな作りなのでエラーも起きづらく性能も高い。
■MLC(Multi Level Cell)
1セルに2bit以上の情報を保存する方式。セルに対し2bit以上なのでSLCと比べ容量単価は安い。
しかしセル毎の状態のパターンが増える分エラーが起きやすくなり、エラー訂正機能等のリカバリーが必要。性能はSLCより下。ただしコントローラ次第で化ける。
■TLC(Triple Level Cell)
1セルに3bitの情報を保存する方式。早い話がMLCの3bit名指し版。
ただし市場のMLC製品=2bitが現状なのでこの場合更にセルに対して1bit追加した形。
ただしその分エラーが起きやすくなり、エラー訂正機能等のリカバリーが必要。性能はSLCより下。ただしコントローラ次第で化ける。


~ブレイクタイム~

そして個人的に最も大事だと思うのが、SSDの各電子の出し入れをしているセルの回路構成の中でもその出し入れの通り道(膜)となっているトンネル酸化膜。
ここがSSDの寿命に直結しており、トンネル酸化膜は電子の出し入れをする度に徐々に劣化していき最終的に電子が通れなくなります。(書き込み回数の限界)

とすると、ここまでに出てきたSLC/MLC/TLCの違いは寿命面でも大きな違いとなります。
SLC=セルに対し1bit=通過する電子が少ない=トンネル酸化膜劣化ペースが遅い
MLC=セルに対し2bit=通過する電子がSLCより多い=トンネル酸化膜劣化ペースがSLCより早い
TLC=セルに対し3bit=通過する電子がMLCより多い=トンネル酸化膜劣化ペースがMLCより早い

実際のところセルあたりの書き込み回数の限界は一般的に
SLC=100,000回
MLC=10,000回
TLC=1,000回
となっており、容量単価を稼ぐ代わりに寿命を犠牲とします。


まとめのまとめ

SSDの性能
SLC>MLC>TLC

SSDの寿命
SLC>MLC>TLC

信頼性(データエラーの起きにくさ)
SLC>MLC>TLC

価格
TLC>MLC>SLC

サーバ用などであればSLC一択ですが、さすがにSLCは高すぎますし
そもそもエンタープライズ向けがメインでコンシューマ向けに落ちてきていないですし、
一般用途ならMLCが望ましいですね。
TLCは・・・個人的にはまだ遠慮したいかな。
いくら安価に仕立てあげられるとは言ってもそれに自分のシステムを任せるわけですし、
もっと実績というか信頼性の面で後2,3年様子見てみたい構造ですね。

1 件のコメント:

  1. 明瞭・簡潔で判り易い解説でとても良いと思えた!

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